中学生のための国語のおすすめ50冊

尾瀬をまもる人びと 長蔵小屋の三代

尾瀬をまもる人びと 長蔵小屋の三代

記録

大日本図書

後藤允(ごとうまこと)

<自然を開発から守りぬいた人々>

世の中でもっとも「不義不正」を憎んだ祖父長蔵。

きれいに咲いた花をなぐさめにし山での生活を続けた父長英。二人の血を受け継ぎ「自然か人間かということになれば,自然がどれほど美しく,人間がどれほどちっぽけでいやらしくとも,やはり人間を選ばなければならないと思いました。」と語った長靖。

今でこそ,地球環境や自然保護といった言葉が日常的にかわされる時代になりましたが,そんな言葉さえなかった明治・大正・昭和の三代をつらぬいて,厳しい山の生活に一生を捧(ささ)げ,「尾瀬」の自然をたび重なる開発から守りぬいた平野家の三代の人々がいたのです。これは,その熱い信念に生きた人々の記録です。(Oさん)